ある朝、主人公は「見聞きする言葉がわからなくなる」という謎の現象に苛まれる。
そんな状態の中、偶然見つけた学校の調理室にある隠し部屋の業務冷凍庫で、家出中の女子高校生・栖上梗佳と出会う。
何故か梗佳の口にする言葉だけは理解できる主人公は、梗佳のいる地下室に通うようになっていく。
梗佳とのふれあいの中で、自分が何故、言葉が理解できなくなってしまったのかについて、自身の心と向き合っていくこととなる。
この度は栄えある賞を頂き、誠にありがとうございます。自分の中の感情をなげうつように一気呵成に書き上げた作品を評価して頂けて、これまで這いつくばるように小説を書いてきた甲斐があったのだと、大変嬉しく思います。何のために物語を書き、何のためにたくさんの人のもとへ届けたいと思うのか……と、一進一退、考え通しの毎日ですが、これからも私が作れる最良のお話を精一杯書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。