突然、すべての言葉がわからなくなってしまった少女、汐梨。
最初は困惑するも、空気を読んで やり過ごす日々をおくっていた。
ある日、汐梨は楽しみにしていたイベントに参加できなくなり、言葉がわからないフラストレーションに直面し、孤独へと追い詰められてしまう。
そんな中、汐梨の耳に突如言葉が舞い込んでくる。
言葉の発生源は、隠し教室の冷凍庫に身を隠していた 謎の美少女、梗佳だった。
そして、お互いがお互いの足りないものを埋めるように、ふたりだけの世界がつくられていく。
秘密を抱える梗佳と言葉すべてがわからない汐梨……ふたりの運命は?
この度は栄えある賞を頂き、誠にありがとうございます。自分の中の感情をなげうつように一気呵成に書き上げた作品を評価して頂けて、これまで這いつくばるように小説を書いてきた甲斐があったのだと、大変嬉しく思います。何のために物語を書き、何のためにたくさんの人のもとへ届けたいと思うのか……と、一進一退、考え通しの毎日ですが、これからも私が作れる最良のお話を精一杯書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。